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NASを買った

というのも、PCに差しているメインのHDD(HGST Deskstar NAS 8TB)が3万時間間近だったので。普通にHDDを買い換えても良かったが、PC更新のときの選択肢を増やしたいというのもあり、NASを構築する運びとなった。PCでゲームもやらなくなったし、いい加減デカい自作である必要もなくなってきた。なんならMac miniでいいんじゃないのかと思っている。そうなると内蔵HDD、そしてNTFSとの訣別は必須である。今のPCをファイルサーバにするのもアリかもしれないが、6700Kをファイルサーバとして使うのはちょっと嫌だ。なのでNASを買った。


買ったもの




NAS&HDD選び

当初はなるべくローコストで行きたかったのもあり、SynologyならDS218やQNAP TS-233等が候補だった……がオタク特有のアレによりSoCが高級だったりRAMが増やせたりするDS220+になった。QNAPは低価格帯が白基調のデザインばっかなのはなんでなんだろう。本当は4ベイでPCI-Eが刺さる奴がいいけどそんな金はどこにもないのである。折角増設できるということで併せて4GBのRAMも購入した。DDR4のSO-DIMMなんて初めて触った。

そしてHDD。自作PCを使うようになってからは一応HGST党を自称してきたが、残念ながらHGSTはもういない。WDはあまりいい思い出がないため嫌、海門は個人的には悪い思い出ないものの世間の評判がなあ…ということで最後に残ったのが東芝。東芝HDDは一昔前まで茶箱のバルク販売だけだったため国内ではRMAさえできないということで候補からは外れてた。今は国内リテール版が出回るようになっているため保証面でも安心できるということで選択。容量的に12TB以上は欲しいところで12TB・14TB・16TBあたりを検討したが、お財布事情もあり12TBとなった(TB単価は14TBが一番安い)。



マルチギガの誘惑

ここまで選んだところで突如現れたのが「マルチギガしたくね…?」という誘惑。SATA3接続で150MB/s以上コンスタントに出る状態から、1GbE経由になることで100MB/s程度まで速度が落ちることが予想されるのは流石にちょっと嫌だった。2.5GbEや10GbEにネイティブ対応(ないし公式で拡張可能)しているNASは超高級品のため当然手が出ないわけだが、なんとSynology低価格帯モデルでもUSB-LANアダプターを使うことで2.5GbE化出来るらしい。折しも、プラネックスから低価格な2.5GbEスイッチが発売されていたというのもあり、NAS+HDDに2万円ほどの追加投資で2.5GbE化できる算段となった。

必要なのは、PCとNASそれぞれの2.5GbE対応NICとスイッチ(前述)、そして有志作成のSynology NAS用USBドライバー。

やり方等はプラネックスの公式サイトで詳説されているのでこちらを参考にした。
2.5GbEスイッチ、思ったより選択肢がなく、候補に挙がったのはバッファロー
LXW-2G5TP-Link TL-SG105-M2プラネックス FX2G-05EMの3種。価格はプラネックスが一番安く、レビューもプラネックスが一番よかった。プラネックソとはなんだったのか。というわけでスイッチはプラネックスを購入。プラネックスからはスイッチの他にUSB-LANアダプターも発売されているが、レビューによると熱の処理があまりよくないらしく、長時間使用で熱暴走(?)するとのことなので除外。ドライバーが公開されているGitHubには動作確認報告ページがあり、Amazonのレビューと併せてに多数存在する有象無象LANアダプターの中からClub3D CAC-1420をチョイスした。Club3Dは聞いたことないけどまあいい。PC側のNICもプラネックスから発売されているが、ちょっと高いのとチップが蟹なので除外。Intel I225-V搭載のものが比較的安く売っていたのでそれを購入した。ノーブランドだけど気にしない。



設置&セッティング&2.5GbE化

すべてモノが揃ったところで設置を開始。といっても付けるもん付けて電源入れるだけである。設定諸々はブラウザから管理画面にアクセスして行う。NASの管理画面といえば国内メーカーの無味乾燥なやつしか知らなかったため、Synology DSM7とかいうのがあまりにもグラフィカルすぎて普通にビビった。初期セットアップと最低限の設定を済まし、とりあえず吊しの1GbE状態で動作確認を行った(RAMだけ最初から増設済)。


まあこんなもん。スペック通りの数字。HDDよりは遅い。これで常用できないか、と言われたら多分できるんだけど、このままだと5TBぐらいある初回転送が無限に掛かりそうなので早々に2.5GbE化を開始する。上述のプラネックスWebサイトを参考に、ドライバをインストール、ブツをすべて繋いであっさりと2.5GbE化完了。PC側のNICはマジで差しただけ。



というわけでまたベンチを回す。


はえ~。理論値には少し及ばないが、1GbE状態の倍近い速度が出ている。SATAのHDDと比べるとランダムが非常に速いのが特徴的。恐らくNAS側でキャッシュがしっかり効いてるからだろうけど、増設したRAMも意味があったんだろうと嬉しくなる。RND4KQ1T1のWriteが2.5GbE化して異常に速くなっているのは謎。なんか計測ミスってるかも。というわけで、箱の開封から1時間も経たないうちに保証対象外仕様となってしまったDS220+であった。不安だった各NW機器の安定性だが、ベンチ回したり初回転送してる限りでは問題なかった。どれもそれなりに熱を持つものの触れないほどではないし杞憂だったかも。



UPSについて

NASも買ったことだし…と今まで検討したこともなかったUPSも欲しくなり購入。PCも繋げる正弦波がいいけど高いよ~ということで矩形波の550VAモデルを買ったが、後々調べるとPFC内蔵のPSUでも、大体の場合は矩形波で動作するらしい。というわけで出力的に少々無理がありそうだが最近はPCに負荷なんて大して掛けないし、そもそも常時商用電源だから99.999%ぐらいのシチュエーションではただのタコ足なわけで、PCもUPSに繋ぐことにした。APCのUPSなのでUSB接続することでPCだったらPowerChute Personal Edition、NASはSynologyの標準機能で連動シャットダウンが可能。しかし、UPS側の接続口は1個しかないため、PC or NASのどちらかにしか接続できない。困った。

ちょっと考えた結果、UPSはPCに接続、PowerChuteにてバッテリー動作切り替わり後2分でシャットダウンする設定に、PCがアイドル状態であれば8割ほどバッテリーが残ることになり、NAS(+NW機器)だけであればランタイムは数時間程度確保できる…はず。本邦の電力事情は優秀なのでその間に復電するであろう、という魂胆である。
そもそも家にいるなら手で諸々シャットダウンするだけなので、基本的には外出中に停電が起きたときの想定(なのでPCも大体アイドル状態のハズ)。何度かテストして一応思い通りに動いてるっぽいのでこれで良しとした(ミスってNASを何度か停電させてしまい、Synologyの遠隔監視アプリから怒られるなどもあった)。

追記:
上記設定で何日か使ったところ、PCの電源を入れて半日~1日ぐらい経過すると出力サウンド(USB-DAC出力)がブチブチになる現象が。色々検証した結果どうやらUPSとの通信ケーブルから変なノイズが乗ってるらしい。抜いたら再現しなくなった。なのでUPSは大人しくNASと直結してNASだけ連動シャットダウンするようにした(悲しい)。正弦波出力の奴ならこの辺ももう少しいい感じなのかな…?




その他便利機能

DSMには色々な便利機能が付いているが、そのうちスナップショット機能と、PCのイメージバックアップだけ設定して使っている。スナップショットはNASを入れるなら絶対に使いたかった機能の1つで、RAID1では防ぎきれない誤削除や誤保存に対応するための技術(誤削除についてはゴミ箱がある)。会社で使って便利すぎたためずっと家にも欲しかった。
PCのイメージバックアップは今までWindowsの標準機能で取っていたが、世代管理ができないクソ仕様に辟易していたところになんとNASからバックアップが取得できるという。当然のように世代管理もできる。使わない手は無かった。

これらの機能は、アドオン的な感じで管理画面からインストールして使う。プレステかよ。

ゴミ箱もタスクを組んで自動削除(しかもゴミ箱内での保存期間を決められる)できたり、めちゃくちゃ便利だなというのが所感。自分には縁遠いけどDockerとかのコンテナ仮想化のサーバになったり、VMを建てれたり、なんとADサーバにもなるんだからNetwork Attached Storageという名前はちょっと詐欺なんじゃないかと思ってる。



まとめ

というわけで、丸1晩掛かった初回転送も終わり、残されたHDD・SSDの整理も終了してから1週間ぐらい経った。普通に使えている。結局NASに入れたのは写真と動画が主になったが、Lrで現像作業をする分には「ちょっと遅いかな~」ぐらいで普通に使えている。まだ使ったことのない便利機能たちが大量にあるが、当分はSMBサーバ+αぐらいの感じで使っていく予定。もう1個ぐらい欲しくなってきた。では。

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