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[2025.9.9追記] AMD Ryzen 9 5900XT を衝動買いしたらハマった (アイドル灼熱問題)

CPUを衝動買いしてしまった。思えば5600G→5700Xも衝動買いみたいな感じだったけど、今回もまた衝動買い。首都高バトルのせいでPCスペック上昇欲が高まっていたがグラボはRTX5070(Ti)やRX9070(XT)の発売を控えバッドタイミング。というわけで安さに飛びついて買ったものの、最新と比べるといろいろ(主にベンチマークが)見劣りする5700Xが更新の検討対象に。とはいっても、AM5に行くには先立つものが心もとない……そんな中目に飛び込んできたのが5900XTだった。

Ryzen 5x00のXT型番に対して「単なるリネームだろ」という認識しかしていなかったが、よく調べてみるとクロックアップしてたりと、多少なりとも手が入っている様子。そして5900X→5900XTに限って言えば、12C24Tから16T32Tへ物理的なアップグレードが施されている。それでいて、価格も発売当初比でかなり落ち着いてきて最安5万円強。安くね? 偶然にも身内のPCオタクが5900XTで1台組んでいる最中だったというのもあり、気が付いたらポチっていた(5700Xが1.5万ぐらいで売れる読み)。


無事到着し、ウキウキで換装。1年半ほどしか使っていないのもあってスッポンすることもなく無事に完了。火入れを行う。BitLockerのアレやPINの再設定などがあるが問題なく起動。とりあえずCinebench2024を回す。速い。満足。何よりベンチ中も70℃程度と全然発熱しない。神のCPUだ~~~となっていたが、ふと気づく。

Utilizationに注目

アイドリングなのに60℃以上ある、というか70℃。よく見るとコア電圧も1.4V台後半と見るからにおかしい。最初は冷却不良を疑ってグリスを塗りなおしたりしてみたが何も変わらず。チップセットドライバとUEFIを更新したがこれも変わらず。不思議なのが、この状態でベンチを回す(=高負荷を掛ける)と電圧は一気に1V台に落ちこみ、発熱も70℃程度までしか上がらないということ。

とりあえず電圧を削るかとAMDのPBOでAll Core -30にしてみる(バカ)。ベンチ中の電圧は下がりちょっとベンチは伸びた。が、アイドリング中の異常発熱は変わらず。その日は諦めてそのまま寝たが、一晩中アイドルで放置しててもHWMonitor 読みで最低55℃とかそんな感じ。冬場でこれはきつい。Package Powerも最低60Wとかだし……。

翌日仕事をしながらいろいろ調べたり調べてもらったりする中で、分かったことがいくつかあった。

  1. Windows 11の電源管理との相性が良くなく、電源オプションの中にある「最大のプロセッサの状態」を100%から99%にすると治ったというもの。これは5900XTではなく5900Xでの症例をRedditやTwitterで見つけることができた。
  2. AMDのCPB(Core Performance Boost)が悪さをしているという説。これは特定のCPUに限らずRyzen全般の情報として出てくる。この場合、CPBと合わせてPBOもDisableにすることで定格で使おうというのが解決策となる。
帰宅し、さっそく1.から試してみる(その前にUEFIの設定は初期化した)。一瞬で電圧・温度・クロックが落ちた。見た感じ定格動作になっている。マジかよwとなったが、せっかく高性能な石を買っておいて定格で使うのも惜しい。Cinebenchを走らせる限りではBoostあり状態と1割程度しか性能低下はせず(つまり5800Xなんかよりは余裕で速い)、それでいて低発熱低消費電力とこれはこれで素晴らしいのは事実だが。

最大のプロセッサを99%にした瞬間に崖発生。クロックは定格張り付き。

というわけで続いて2.を試す。1.で変えた設定は元に戻した。これまた同じく定格動作になった。やっぱり惜しい。どうにかならないものか。そもそもこれはCPB Disableの挙動としてなんかおかしい気もする。

結論からいうと、悪あがきをしているうちに治ってしまった。多分電源オプションの設定を初期化したのが効いてるっぽい。従来高パフォーマンスを適当に弄ったのを使っていたが、それをバランスに変更し、さらにバランスの中身を初期化したあたりで急に電圧もろもろが落ち着いた。そのままベンチを回すと、定格ではないもののちょっと物足りない感じ。調子に乗ってPBOの設定をいじって再チャレンジ。PBO Enable (CO All Core -30)に加えて、よくわからんままFmax EnhancerというのをEnableにしてみた。

中央付近の崖はCinebench終了の瞬間。右側の崖は無操作で少し放置した状態

アイドルの温度電圧は問題なさそうなのでベンチを回す。なんと全コア4.7GHz近くでブン回り始めた。電圧は1.2Vぐらいで安定。その分発熱(80℃位)と消費電力(190W)はなかなかの感じになってしまったが、16コアをカチ回してこれなら文句はない。多分Fmax Enhancerが効いてるっぽい。ベンチスコアも過去最高を記録し、ベンチ終了後は平和な温度に。ようやく理想的な動き方になったところでこの記事を書いている。現在53℃。アイドルにしてはちょっと熱いが、常駐アプリ山盛りで音楽鳴らしたりしてる状態であることを考えればまあこんなもんだろう。無操作で放置すると40℃まで落ちるのでこれなら問題ない。

というわけで、久々にPCオタクっぽいことをする羽目になったことの備忘録でした。あとは電源とグラボを買い替えればこのPCは完ぺきになるはず。というか電源さっさと買い替えないとやばいね。660WしかないのにCPUとグラボがともに200W近く食うので同時にフルロードになったら多分落ちる。グラボは9070XTかなあ、AMD信者のつもりはないけどNVIDIAどうせ高いしどうせ買えないし…。3月が楽しみ。


2025.3.12 追記

結局あの後色々弄ってるうちにまたアツアツ状態にに戻ってしまい、アイドル50℃台後半のまましばらく使っていた。ほとんど諦めてたところに24H2のアップデート催促が来たため当ててみた。

そしたらなんか治った(???)

現在、「最大のプロセッサの状態」を99%、マザーのOC設定(CPB・PBO2はオン、COはAll-15、Fmax~はOFF)を適当に入れた状態で、アイドル40℃台(~1V安定)、ベンチ回して60℃強(1.2V, 4.5GHzぐらい)と非常にいい感じ。Fmax~がOFFなのでパワーは落ちているはずなのにCinebenchのスコアは向上した。よく分からん。ベンチ中が冷えてるのはRZ620を衝動買いしたからかも。でもアイドルの電圧がいい感じになってるのは確かである。

まあ確かにOSの制御がイマイチみたいな説はあったのでその辺が改善したという見方もできるかもしれない。「最大の~」を100%に戻したらどうなるのかは不明(怖いので弄りたくないねえ)。とりあえずしばらくはこのまま使います。ちなみに5700XはAG400と抱き合わせでオタクに売れました、めでたしめでたし。


2025.9.9 追記

しばらく上記のまま使っていたが、なんとなくケースファンを新発売のArctic P14 Proに変えたのをきっかけになんとなくマザーの設定をいじったらまた灼熱に戻ってしまった。とても使ってられないのでムカついてPBO2を完全停止させて定格運用にしてみたもののの、どうしても腑に落ちない。

というわけで、改めていろいろと試してみた。UEFIの設定をリセットしてみたり、PBO周りの設定をいろいろ変えてみたりしたがイマイチ効果は出ず……。結果から言うと、電圧を削ったらいい感じになった。灼熱の原因は異常なコア電圧(低負荷時に1.5V弱まで盛られる)であり、これを削れば多分解決するというのは薄々気づいてはいたものの、余計ドツボにハマりそうな気がして手を出していなかった。

だがいよいよ背に腹は代えられんということで、とりあえず-0.1Vオフセットから試してみるとすんなり起動、電圧も今までよりちょうど-0.1Vされてるような感じ。全負荷時に1.0V前後まで電圧が落ちても普通に動くことは確認済みなので、オフセットではなくオーバーライドで1.2V→1.15V→1.1Vと下げながらCinebench2024で動作確認をするというのを何回か繰り返した。あわせてCOのNegative値も変化させて、ベンチマークスコアとのバランスを適当に探った結果、1.10V/CO All Core -25でCinebenchで1400ちょっととまずまずな結果に。VDDCR CPU VoltageとCO以外はデフォルトのままである。

この状態、アイドリング~軽負荷では45℃未満かつCinebench実行中(全コア4.9GHz)でも65℃程度にしかならず、現状かなり素晴らしい模様。しばらくこのまま使ってみようと思う。電圧が高いときは電圧を削るといいらしい。

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